【食品添加物】 保存料とは? 役割は? 危険?

健康

皆さんは保存料をご存じでしょうか。保存料は食品添加物の1つです。スーパーやコンビニで買った食品の食品表示ラベル上にこれらの文字を目にする方も多いのではないでしょうか。

本記事では、保存料の概要を簡単に紹介いたします。聞いた事はあるけど、詳しくは何も知らないという方は特に ご一読いただければと思います。

保存料の役割

保存料は食品添加物の1つで、食品中の微生物の増殖を抑制する静菌・抗菌作用(≠殺菌作用)があります。これにより、食品の保存性を向上させる事ができます。

日持ち向上剤
保存性を少しだけ(数時間~数日程度)改善できる日持ち向上剤は、保存料には含まれません保存料不使用・無添加と謳っていても、この日持ち向上剤が使われている場合があり、さらに 日持ち向上剤は成分表に表示されず、代わりにpH調整剤や調味料と表示される事が多いです。日持ち向上剤の安全性については、まだ明確にはなっていない様です。
日持ち向上剤の代表的な物質:グリシン・ラウリル硫酸塩(ビタミンB1)

保存料は、天然由来の保存料合成(人工)の保存料 に分ける事ができます。

天然由来の保存料

化学物質や人工化合物が含まれていない保存料

表1. 代表的な天然由来の保存料の例
保存料の物質名 利用されている食品例
しらこたん白 魚肉練り製品
ε-ポリリジン(ポリリジン) でんぷん系の食品
魚・肉
レモン果汁(アスコルビン酸) アボカド・果物
ローズマリーエキス チョリソー・サラダドレッシング
砂糖 果物
ツヤプリシン
ポリリジン デンプン食品

合成(人工)保存料

化学的に合成してつくられる保存料。自然界の植物の中に存在する物質であっても、実際に食品添加物として使われる際は、合成された物である事もあります。

表2. 代表的な合成(人工)保存料の例
保存料の例 利用されている食品例
ソルビン酸・ソルビン酸カリウム ハム・ソーセージ
安息香酸・安息香酸ナトリウム キャビア・マーガリン・醤油・清涼飲料水
ポリリン酸塩 かまぼこ・肉
プロピオン酸 チーズ・パン・洋菓子
パラベン 醤油・果実ソース

保存料のメリット

今や食品は世界中で取引されており、どうしても輸送に時間がかかります。その間に品質をなるべく落とさない様に保存料が活用される事があります。保存料は現在では必要不可欠であるとも言えます。表3.に代表的なメリットを纏めました。

表3. 保存料のメリット
天然由来の保存料のメリット 合成(人工)保存料のメリット
食品の腐敗・変敗を防ぐ。
食品の色味・食感・風味を保つ。
食中毒のリスクを減らす。
食品の増産を可能にする。
遠いところまで食品を運べる。
食品の廃棄量を削減できる。
化学的に合成されていない。 上記のメリットの調整幅が広い。
合成(人工)保存料に比べて身体へのリスクが少ない。 種類が多いため、使える選択肢が多い。
天然の香りを食品に付与できる。 コストが低い。

保存料のデメリット

食品添加物のため、皆さんもイメージするかもしれませんが、メリットだけでなく、デメリットも存在します。基本的にどの添加物も同じですが、過剰摂取するほど様々なリスクが高まっていくため、注意が必要です。表4.に代表的なデメリットを纏めました。

表4. 保存料のデメリット
天然由来の保存料のデメリット 合成(人工)保存料のデメリット
上述表3.の共通項目の調整幅が狭い。 アレルギー反応のリスクを高める可能性がある。
種類が少ないため、使える選択肢が少ない。 心血管疾患のリスクを高める可能性がある。
合成(人工)保存料に比べて微生物の増殖の抑制力が弱い。 呼吸器疾患のリスクを高める可能性がある。
効果を出すには高濃度である必要がある。 癌のリスクを高める可能性がある。

ここから危険と言われている保存料の物質を紹介します。これらを参考にし、普段の買い物などで食品表示レベルをよくチェックし、効果的に取捨選択ができるといいですね。

特に注意すべき保存料

保存料の中でも特に危険性が高いと言われている物質を11個紹介します。

安息香酸

キャビア・マーガリン・シロップ・醤油・清涼飲料水などに使用される事がある合成の保存料です。

下記の様に好ましくない事例があります。

  • 犬に安息香酸と安息香酸ナトリウムを含む餌を与え続けると、運動失調や痙攣を引き起こして死亡した。
  • イギリスで清涼飲料水に添加されていた安息香酸とビタミンCが化学反応を起こして発がん性物質のベンゼンになっている事がわかり、製品が自主回収された。

食品に添加される量は少ないですが、継続的な摂取による影響が懸念されます。

安息香酸ナトリウム

清涼飲料水・栄養ドリンク・シロップ・醤油・果実ペースト・キャビアなどに使用される事がある安息香酸にナトリウムを結合させた合成の保存料です。

ラットに安息香酸ナトリウムを含む餌を与えると、過敏状態・尿失禁・痙攣などを引き起こして死亡しました。添加量は制限されていますが、この様な実験結果から、少量だとしても身体への影響、長期的な摂取による身体への影響が懸念されます。

しらこたん白(プロタミン)

だんご・惣菜・弁当・おにぎり・生麵類などに使用される事がある天然由来の保存料です。「しらこ」や「プロタミン」とも表示される事があります。

天然由来ですが、ラットにしらこたん白を含む餌を与え続けると、白血球の減少・肝重量の減少・肝細胞の萎縮・血液中の酵素活性の低下が確認された事から、毒性があると考えられています。

ソルビン酸

ハム・ソーセージ・漬物・いかの燻製・さきいか・ジャム・キャビア・あん類などに使用される事がある合成の保存料です。カビの発生を防ぐのによく活用されます。

下記の様にいくつか不安が残る実験結果があります。

  • マウスにソルビン酸を与え続けると、肝臓・腎臓・精巣が小さくなった。
  • ラットの皮膚にソルビン酸を溶かした液体を注射したところ、注射個所にがんが発生しました。

ラットの実験は経口摂取ではないですが、発がん性や継続的な摂取による影響が人間に対しても懸念されています。

ソルビン酸カリウム

漬物・シロップ・ジャム・ワイン・佃煮・チーズ・ハム・ソーセージなどに使用される事があるソルビン酸にカリウムを結合させた合成の保存料です。

ラットにソルビン酸カリウムを含む餌を与え続けると、食欲低下・消化管の機能低下が引き起こされました。

ソルビン酸カリウムには元々動物の細胞の染色体を切断したり、細菌の遺伝子修復を妨げる働きがありますが、これは人間の細胞の遺伝子を突然変異させて、細胞をがん化させる可能性があるという事で、不安視されています。

ツヤプリシン(ヒノキチオール)

天然由来の保存料で、ヒノキチオールとも呼ばれます。

天然由来ですが、妊娠したマウスにオリーブオイルに溶かしたヒノキチオールを与えたところ、生まれた子に口唇裂・短尾・手足の奇形が確認され、催奇形性がある事が確認されました。

パラベン

醤油・果実ソース・清涼飲料水・シロップ・果実表皮・果菜表皮などに使用される事がある合成の保存料です(正式名称:パラオキシ安息香酸)。

添加物として認められているパラベンは5種類あり、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベンです。

  • ラットにイソプロピルパラベンを含む餌を与え続けると、肝臓障害が発生。
  • ラットにエチルパラベンを含む餌を与え続けると、初期の成長が進まなかった。
  • ラットにブチルパラベンを含む餌を与え続けると、オスは全て死亡し、メスも多くが死亡した。

その他の物質での動物実験データはあまり無い様ですが、継続的な摂取による影響が人間に対しても懸念されています。

プロピオン酸

チーズ・パン・洋菓子などに使用される事がある合成の保存料です。国際化学物質安全性計画が作成した国際化学物質安全性カードには、人間が経口摂取した場合、「胃痙攣・灼熱感・吐き気・ショック・虚脱・咽頭痛・嘔吐を引き起こす。」とあります。

刺激性(毒性)のある物質と考えられています。

プロピオン酸カルシウム

チーズ・パン・洋菓子に使用される事があるプロピオン酸にカルシウムを結合させた合成の保存料です。プロピオン酸と同程度の毒性があると考えられています。

プロピオン酸ナトリウム

チーズ・パン・洋菓子に使用される事があるプロピオン酸にナトリウムを結合させた合成の保存料です。プロピオン酸よりも強い毒性があると考えられています。

ポリリジン

デンプンを原料にした食品に使用される事がある天然由来の保存料です(正式名称:ɛ-ポリリジン)。

ラットにポリリジンを含む餌を与え続けると、食欲低下・血糖値や血中リン脂質の減少・肝臓や甲状腺重量の低下・白血球の減少が確認されました。

継続的な摂取による影響が人間に対しても懸念されています。

最後に

保存料は食品の腐敗・変敗を防ぐなど 種類によっては、私たちの身体に有益な効果が期待できますが、摂取頻度・量が多すぎると様々なリスクを高める事になります。食品パッケージの成分表をよくチェックするなど 過剰摂取にならない様、注意しましょう。

色々調べる中で個人的に気になった点として、海外(特に北米)の方が保存料の危険性に関する発信が明らかに多いです。食品添加物などの規制に関しても、日本よりも海外(特に北米)の方が厳しい様です。

せっかく本記事を見ていただいたのですから、食品添加物のメリットだけだなく、デメリットについても知っておく事で、知らない人よりも 買う・注文する際の判断材料を多く持ち、自分もしくは他人のためにその時々で良い選択・判断ができる様にしておく事が重要ではないかと思います。

参考

  • 厚生労働省ホームページ, 「健康・医療 食品添加物」, https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html
  • 厚生労働省ホームページ, 「健康・医療 食品添加物 よくある質問(消費者向け)」, https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/qa_shohisya.html

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