【食品添加物】 糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)とは? 役割は? 危険?

健康

皆さんは糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)をご存じでしょうか。糊料は増粘剤・安定剤・ゲル化剤の総称であり、増粘安定剤と呼ばれる事もあります。糊料は食品添加物の1つです。スーパーやコンビニで買った食品の食品表示ラベル上にこれらの文字を目にする方も多いのではないでしょうか。

本記事では、糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)の概要を簡単に紹介いたします。聞いた事はあるけど、詳しくは何も知らないという方は特に ご一読いただければと思います。

糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)の役割

糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)は、食品に粘性を与える又は食品の粘性を高める効果があります。例として、ジャムやソースなどをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。

糊料は増粘剤・安定剤・ゲル化剤の総称であり、これら3つの大雑把な役割は上述のとおり同じですが、細かく見ていくと下記の様に微妙に異なる効果があります。

  • 増粘剤
    食品に粘り気やとろみを付ける。
  • 安定剤
    食品の形を保ちながら、成分を均一に分散させる。
  • ゲル化剤
    食品をゼリー状に固める。

天然由来の物と合成の物に分かれ、天然の物は殆ど増粘多糖類と総称されています。

表1.に代表的な糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)の物質名やその由来、実際に利用されている食品例を纏めました。

表1. 代表的な糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)
糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)の物質名 利用されている食品例
寒天 菓子・スープ
ペクチン ジャム・ゼリー
アルギン酸エステル
セルロース誘導体 菓子・シロップ
アラビアガム 飲料・冷菓・ドレッシング
トラガントガム 菓子・ソース
グァーガム ドレッシング・ケチャップ
ローカストビーンガム コンビニ食品・清涼飲料水
ゼラチン 菓子・低脂肪スプレッド
カラギナン タレ・ドレッシング
カラヤガム アイシング・ドレッシング
キサンタンガム ソース・マヨネーズ
カゼインNa アイスクリーム・ゼリー
フクロノリ抽出物

糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)のメリット

糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)は食品添加物として広く使われており、当然 使用する事によるメリットがあります。食べた時の満足感だけでなく、安全のために使われる事もあります。表2.に代表的なメリットを纏めました。

表2. 糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)のメリット
増粘剤のメリット 安定剤のメリット ゲル化剤のメリット
食品に滑らかで調和性のある食感を与えられる。
誤嚥のリスクを減らす。
天然由来の物が多い。
少量で高い粘性を発揮する。 混じりにくい物質同士の成分を均一に分散させる。 液体をゼリー状にできる。

糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)のデメリット

食品添加物のため、皆さんもイメージするかもしれませんが、メリットだけでなく、デメリットも存在します。基本的にどの添加物も同じですが、過剰摂取するほど様々なリスクが高まっていくため、注意が必要です。

実験による安全性(被害の実例や副反応の種類など)を確認できていない成分もあり、天然由来の物が多い(増粘多糖類)とはいえども、まだ未知数な部分が多いです。最新の情報にアンテナを張っておく事が重要だと思います。又、この増粘多糖類には注意が必要で、というのも、その中に問題・懸念がある物質があるというのはもちろんですが、問題はその表示方法です。1品目だけ添加される場合は、その物質名が表示されますが(例:「増粘安定剤(アラビアガム)」)、2品目以上の添加になると「増粘多糖類」という略称表示にしかならず、問題・懸念のある物質が使用されているかどうかがわからないという事になってしまいます。

ここから危険と言われている糊料の物質を紹介します。これらを参考にし、普段の買い物などで食品表示レベルをよくチェックし、効果的に取捨選択ができるといいですね。

注意すべき糊料

糊料の中でも危険性が高いと言われている物質を6個紹介します。

アラビアガム

ゼリー・アイスクリーム・シャーベットなどに使用される事のある天然由来の増粘剤です。急性毒性は非常に弱いですが、下記の様にいくつかのネガティブな実験結果が報告されています。

  • 妊娠したうさぎにアラビアガムを与えたところ、多くのうさぎに食欲不振・下痢・尿失禁を引き起こして死亡した。
  • アラビアガムが添加された錠剤を人間が飲んで、発熱・関節痛・発疹を引き起こした。

アレルギー反応を起こしやすい人は、注意した方が無難でしょう。

アルギン酸エステル

アルギン酸とプロピレングリコールを合成した糊料です。動物実験での毒性はあまり確認されていないが、アレルギー体質の人間が摂ると発疹を引き起こす事がある様です。

アレルギー反応を起こしやすい人は、注意した方が無難でしょう。

加工デンプン

11品目の加工デンプンが存在し、これらは合成の食品添加物として取り扱われます。

11品目内訳

  • アセチル化アジピン酸架橋デンプン
  • アセチル化酸化デンプン
  • アセチル化リン酸架橋デンプン
  • オクテニルコハク酸デンプンNa
  • 酢酸デンプン
  • 酸化デンプン
  • ヒドロキシプロピルデンプン
  • ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン
  • リン酸架橋デンプン
  • リン酸化デンプン
  • リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン

これらはデンプンベースですが、化学的な処理を経て別の物質となっています。発がん性や生殖毒性などに関する試験データがない品目もあり、安全性が十分に確認されているとは言えないです。又、簡略名での表記が認められてしまっているため、これらのどの物質が使用されていても、「加工デンプン」としか表示されないのが実態です。

カゼインNa

カゼインにナトリウムを結合させた合成の糊料です。アイスクリーム・ゼリー・ハム・ウインナー・麺類・魚肉練り製品などに使用される事があります。

動物実験で半数が中毒を引き起こして死亡してしまいます。カゼイン自体は毒性は弱いとされていますが、ナトリウムと結合する事で、毒性が強くなる様です。

毒性の弱い物質でも、他の物質と結びつく事で好ましくない特性に変化していくケースですね。

グァーガム

ドレッシング・ケチャップ・こんにゃく・食肉加工品・冷菓・和菓子などに使用される事がある天然由来の増粘剤です。

下記の様にいくつか好ましくない実例があります

  • グァーガムを含むダイエット薬を人間が飲んで食道が塞がった。
  • カーペット工場の従業員がグァーガムにより喘息を引き起こした。
  • ラットにグァーガムを含む餌を与えたところ、腎臓の重さや血糖値が低下した。
  • 妊娠したマウスにグァーガムを含む餌を与えたところ、29匹中8匹が死亡した。

フクロノリ抽出物

天然由来の増粘剤。ラットにフクロノリ抽出物を含む餌を与え続けると、肝臓障害の際に増加するGPTの増加が確認されています。

特に注意すべき糊料

糊料の中でも特に危険性が高いと言われている物質を2個紹介します。

カラギナン

しゃぶしゃぶのタレ・ドレッシング・缶コーヒー・スープ・ソース・ゼリー・豆乳・乳飲料・果実飲料・デザート食品などに使用される事のある天然由来の増粘剤です。

急性毒性は弱いですが、下記の様に好ましくない実験データが散見されます。

  • ラットにカラギナンを含む餌を与え続けると、下痢・激しい血便・脱毛・結腸がんが見られ、摂取量が多いほど症状が悪化した。
  • サルにカラギナンを含む餌を与え続けると、腸の不調・血便・食欲不振・衰弱が見られ、摂取量が多いほど症状が悪化した。
  • ニワトリの受精卵にカラギナンを含む水溶液を投与すると、胚死亡率が増加し、ヒナの脳露出・異常なくちばし・無眼症などが確認され、多くが死亡した。

トラガントガム

ゼリー菓子・ソース・ドレッシングなどに使用される事がある天然由来の増粘剤です。発がん性の疑いがあります。マウスにトラガントガムを含む餌を与え続けると、がんの発生が確認され、摂取量が多いほど発生率が高くなるという相関関係は見受けられませんでしたが、強い懸念が残るデータです。

最後に

糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)は他の食品添加物に比べると天然由来の物が多いですが、まだ未知数な部分もあるため、継続的な過剰摂取は禁物でしょう。そうならないために普段から食品表示ラベルをよく確認する様にしましょう。

糊料について何も知らなければ、例えば なぜソースにとろみがあるのか など考えすらしないでしょう。もしかしたら、糊料は普段の何気ない食事での満足感に貢献しているのかもしれません。

せっかく本記事を見ていただいたのですから、食品添加物のメリットだけだなく、デメリットについても知っておく事で、知らない人よりも 買う・注文する際の判断材料を多く持ち、自分もしくは他人のためにその時々で良い選択・判断ができる様にしておく事が重要ではないかと思います。

参考

  • Alan Imeson (2009), 「Food Stabilizers, Thickeners and Gelling Agents」
  • 日本貿易振興機構(ジェトロ) (2016), 「食品添加物規制調査 米国」

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